マタハラで初の事業者名公表

厚生労働省は、茨城県のクリニックが、妊娠を理由に解雇するマタニティ・ハラスメントを行っていたと発表しました。

女性から相談を受けた労働局が、解雇を撤回するよう助言や指導、勧告を行いましたが、クリニックは拒否したため、厚生労働省は、事業所名の公表に踏み切りました。

男女雇用機会均等法に基づき、マタニティ・ハラスメントで事業者名を公表するのは初めてのケースです。

マイナンバーの活用範囲を拡大する改正マイナンバー法が成立

マイナンバー制度の利用範囲を金融や医療などの分野に広げることを目的とした改正マイナンバー法が、3日の衆議院本会議で可決され、成立しました。

マイナンバー制度が来年1月にスタートすれば、行政機関は、自治体や税務署などに分散している所得や年金、社会保険などの個人情報を、国民一人一人に割り振った12桁の番号を使って照会しやすくなり、行政手続きを効率化したり、脱税などの不正行為を防いだりする効果が期待されています。

改正法は、マイナンバー制度の運用が来年1月から始まるのを前に、制度の利用範囲を金融や医療などの分野に広げることなどを目的としています。この改正法は、日本年金機構のシステムから大量の個人情報が流出した問題を受け、機構がマイナンバーを扱う時期を遅らせるなどの修正を参議院で加えて可決されたことから、衆議院に戻されていました。そして、3日の衆議院本会議で、自民・公明両党と民主党、維新の党などの賛成多数で可決され、成立しました。

改正法の成立により、金融機関は2018年1月から、預金者の同意があれば、口座番号とマイナンバーを結びつける「ひも付け」ができます。これにより、政府は個人の所得だけでなく、預金などの金融資産情報を管理することになるため、複数の口座を持つ人の預金残高を把握し、お金の流れが詳細に分かれば、脱税や年金の不正受給の防止につなげることができます。

また、来年1月からは特定健診(メタボ健診)の履歴、2017年からは予防接種の履歴にもマイナンバーを結びつけ、引っ越しや転職をしても別の自治体や企業に情報を引き継ぎやすくし、健康に関わる情報を管理することで、生活習慣病の予防や、医療費の無駄づかいを防ぐ効果なども期待しています。

同時に、衆議院本会議では、ビッグデータを活用してビジネスチャンスの拡大を図ることを目的とし、個人情報を特定されないように加工すれば本人の同意がなくても事業者が情報を第三者に提供できるようにすることなどを盛り込んだ改正個人情報保護法も可決され、成立しました。行政の効率化や利便性向上が期待される一方、個人情報の管理の徹底が課題となります。

実質賃金が27ヶ月ぶりにプラス

厚生労働省が4日に発表した7月の毎月勤労統計調査(速報)によりますと、労働者1人当たりの平均賃金を示す「現金給与総額」は、前年同月比0.6%増の36万7,551円で、2ヶ月ぶりに増えました。物価の影響を加味した実質賃金は前年同月比0.3%増で、2013年44月以来27ヶ月ぶりにプラスとなりました。

物価の上昇幅が縮小してきたことに加え、今春闘で賃上げの動きが中小企業にも広がり、基本給などの「所定内給与」が3月以降、前年同月比でプラスが続いていることなどが影響し、賃金の伸びが物価を上回りました。

メンタルヘルス不調や健康障害に関する電話相談窓口を設置

厚生労働省は、働く人のメンタルヘルス不調や過重労働による健康障害に関する電話相談窓口「こころほっとライン」を開設しました。

本年12月よりストレスチェックと面接指導を事業者に義務付けることなどを内容とする「ストレスチェック制度」が施行の予定です。また、昨年11月に施行された「過労死等防止対策推進法」では、過労死などの恐れのある労働者などが相談できる機会を確保することとされています。「こころほっとライン」はこれらの制度開始を踏まえて開設されました。

【専用ダイヤル】0120−565−455(通話料無料・携帯、PHSからもご利用いただけます)
【受付日時】月・火/17:00〜22:00、土・日/10:00〜16:00( 祝日、年末年始を除く)
【対象者】労働者やその家族、企業の人事労務担当者など

【こころほっとライン】

ハローワーク 「就業継続サポートプラン」を実施

全国のハローワークで、従業員の離職を防止し、継続した就業に対する事業主の取組を支援する「就業継続サポートプラン」を実施すると発表されました。

発表によりますと、事業主の「職場定着・就業継続」に対する取組みに対し、特に対応に苦慮するという事業主からの声が多い分野や継続して働きたいとする労働者からの声が多い分野など、5つの分野についてハローワークでは積極的なサポートを強化するというものです。

■「就業継続サポートプラン」でサポートを強化する5つの分野
(1)若年者をはじめとする一般従業員の職場定着
(2)障害のある従業員の職場定着
(3)メンタルヘルス不調の従業員の就業継続等
(4)疾患を抱える従業員の就業継続
(5)育児・介護をする従業員の就業継続

【就業継続サポートプラン】

職場の障害者虐待増加 経済的虐待最多

厚生労働省は2014年度1年間に職場で虐待を受けた障害者が501件483人であったと発表しました。
低い賃金で働かせるなどの経済的虐待最も多く419件でした。時給わずか約200円で働かされていた人もいるといいます。虐待を受けた約8割が知的障害者でした。

増加の要因について厚労省は「障害者虐待防止法の周知が進んだ結果、相談件数が増え、潜在的な被害が報告されるようになった」と分析しています。

業種別では製造業が最も多く、また50人未満の事業所に被害者の約8割が集中しており、中小企業での発生が多いことが明らかになりました。

年金滞納 強制徴収の対象拡大10月から

厚生労働省は年金保険料の悪質な滞納者に対し国税庁が財産を差し押さえる「強制徴収」の対象を今年10月から拡大することになりました。

国民年金や厚生年金の保険料について、支払能力がありながら督促しても滞納を続ける人や企業を対象に、国税庁に委任して財産差押さえなどの強制的徴収を行う制度が既に導入されていますが、これについて、厚生労働省は、悪質な滞納者への対策をさらに強化します。

新しい基準は、国民年金で「所得が1,000万円以上で滞納期間が13ヶ月(現行2年)以上」、厚生年金で「滞納期間が2年以上で滞納額が5,000万円(現行1億円)以上」とします。

国民年金の保険料の納付率は昨年度63.1%と低水準が続いており、納付率の引き上げを図りたいとしています。

違法な長時間労働で大阪の外食チェーンと店長らが書類送検

大阪労働局と京都労働局は27日、外食チェーン「まいどおおきに食堂」「串家物語」などを全国展開する「フジオフードシステム」(大阪市)が大阪府と京都府の計17の直営店で従業員に違法な長時間労働をさせていたとして、会社と各店の店長ら計16人を労働基準法違反の疑いで大阪、京都両地検に書類送検しました。

今年4月に、過酷な長時間労働を強いる「ブラック企業」対策のために、東京労働局と大阪労働局に2ヶ所で新たに発足した「過重労働撲滅特別対策班」(通称・かとく)を設置してから、大阪の「かとく」が今回初めて書類送検しました(全国では2例目)。

送検容疑は昨年1月から8月にかけて、大阪、京都両府内の店舗の従業員19人に労使協定で定めた限度時間(月45時間)を超える月54〜133時間の残業をさせ、うち社員2人については労働時間の記録を改ざんし、割増賃金を支払わなかったと見られており、また、法定の休憩時間を与えなかった疑いも持たれています。

大阪労働局は過去にも同社に対し、店舗での長時間労働の是正などを指導しましたが、改善が見られないため書類送検に今回踏み切ったということです。

学習塾に労基署が賃金未払いなどで是正勧告

学習塾大手の明光義塾をフランチャイズ経営する「ワールドオーエー」(本社・水戸市)に対し、土浦労働基準監督署が休憩時間や深夜割増賃金の未払いなどで労働基準法違反があったとして是正勧告をしていたことが分かりました。

労基署は、同社の講師である男子大学院生に深夜の割増賃金を払っておらず、休憩時間や残業の有無などの労働条件が明示されていないなどの労働基準法違反があったとして、是正を勧告しました。

塾のアルバイトは、授業1コマあたりで賃金設定され、準備や報告書作成など授業の前後に働いた分の賃金が払われないケースが多く、講師の大学生らから設定のあいまいさを指摘する声が上がっています。

パワハラ和解後も職場環境改善されず 社労士団体に賠償命令

社会保険労務士らの事務組合「神奈川SR経営労務センター」(横浜市)で働いていた女性がパワーハラスメントを受け、職場と和解したあとも職場環境が改善されなかったとしてセンターなどに賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は8月26日、女性敗訴の一審横浜地裁判決を取り消し、請求通り330万円の賠償を命じました。

女性は、上司からパワーハラスメントを受けたとして職場を訴え、センター側が70万円を支払い、再発防止に努めるなどの内容で3年前に和解しましたが、その後も嫌がらせがなくならないとして改めて提訴しました。

一審はセンター側が和解を守らなかったとまでは認められないと判断したが、高裁の杉原裁判長は、「団体の幹部は、所属する会員に対して女性が問題行動をするという印象を与える発言をしていた」として、和解条項に反し不誠実な態度を取り続けたと認定しました。