社会保険とは?

「社会保険」とは、「健康保険」と「厚生年金」のことです。基本的には、一般的な生命保険や自動車保険と同じように保険料を支払い、万が一の場合に保険金が下りてくるという仕組みで、保険会社ではなく「国」が行っている保険です。似たような名前で「国民健康保険」と「国民年金」がありますが、簡単に言えば、自営業の人は「国民健康保険」と「国民年金」に入り、会社に勤めている人は「健康保険」と「厚生年金」に入るという決まりになっています。

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病院に行く際に使う保険証は「健康保険」の制度で、掛かった治療費の2割〜3割で治療を受けることができます。保険証がなくても治療を受けることはできますが、その場合は掛かった治療費の全額を支払うことになります。たまにしか病院に行かない人は、治療費を全額支払った方が保険料より安くなることもありますが、すべての国民は「健康保険」や「国民健康保険」などの医療制度に入らなければなりません。何故かというと、保険料以上に治療費が掛かる人の分を国民全員で保険料を出し合って「お互いに助け合う」という考え方だからです。
その他にも「健康保険」の制度として、病気やケガで会社を休んだ場合の「傷病手当金」(給料の約3分の2)や子どもが生まれた場合の「出産育児一時金」(42万円)などがあります。

「厚生年金」は、老後(65歳)、障害、死亡の場合に年金を受け取るための制度です。受け取れる年金額は、ややこしい計算式がありますが、基本的には支払った保険料に応じて計算されます。「厚生年金」に入っている人は「国民年金」にも入っていることになりますので、受け取れる年金額は国民年金分+厚生年金分となります。
また、「厚生年金」に入っている人の奥さんの年収が130万円未満の場合は、保険料を支払わなくても「国民年金」に入っていることになりますので、奥さんも国民年金分の年金を受け取ることができます。

Q1:社会保険には必ず加入しなければならないの?
株式会社などの会社や従業員5人以上の自営業者は社会保険に加入する決まりです。(自営業者の場合は業種によります。)

Q2:社会保険料はいくらぐらいなの?
健康保険と厚生年金を合わせて、給料の約28%を会社と本人で約14%ずつ支払います。(家族の人数によって社会保険料が増えることはありません。)
例)給料20万円の場合 ※H26.9現在
(月額)健康保険料19,940円、厚生年金保険料34,948円(会社と本人が27,444円ずつ)

Q3:すべての従業員を社会保険に入れなければならないの?
アルバイトやパートを含めて、1週間に30時間以上働く従業員が社会保険に入る決まりになっています。

Q4:社会保険に加入すると、どんな手続きが必要になるの?
主に、次の手続きが必要になります。
新規適用届 会社が初めて社会保険に加入する場合に必要な手続きです。
資格取得・喪失届 従業員が入退社した場合に必要な手続きです。
被扶養者異動届 扶養家族が増えたり減ったりした場合に必要な手続きです。
算定基礎届 年1回7月に社会保険料を決めるために届け出が必要な手続きです。
月額変更届 給料を変更した場合に必要な手続きです。
賞与支払届 賞与を支給した場合に必要な手続きです。
住所・氏名変更届 住所や氏名が変わった場合に必要な手続きです。
保険給付請求 傷病手当金などの保険給付を受け取るために必要な手続きです。